ついに、ついにモノクロプリント実践編であります。

現像を経て「写真」としてみることのできるプリント作業です。

現代ではデジタルカメラで撮ってパソコンで白黒に編集したりコンビニでも簡単に写真プリントを行えます。

もっというと写真をプリントしないという場合の方が多いかもしれません。

そんな中であえて時代に少し逆行する形でモノクロプリントをしたいという思いからここまでやってこれました。現像も楽しい作業ですが、プリントはその何倍も素晴らしい体験です。

何よりも、光を当てた印画紙を現像液に入れて、像が”ふわっ”と出てくる瞬間は何度見ても感動的です。

今の若い人は知らないかもしれませんが、プリントの様子は昔の刑事もののドラマなどでもよく放送されていました。

事件現場で撮影された写真を赤い部屋でプリントして「こ、これは!」みたいに重要なシーンの1つにもなっていたものです。

不気味なイメージにするために赤くしていたのではなく、ちゃんと理由があるのですが長くなるので割愛します(気になる方は「暗室 なぜ赤い光」などで検索してみて下さい)。

ちなみにただ赤いだけではなく、「セーフライト」というちゃんと暗室に適したライトである必要があります。

前置きが長くなりましたが、実際の様子を紹介したいと思います。

プリントも最後に水洗という大事な工程があるため、できたら水回りで行うことが推奨されています。

また、手元だけ暗ければよかった現像作業とは違い、(赤いランプがつくとはいえ)まずは完全に真っ暗な状況を作り出さないといけないので、自宅で行う場合は比較的狭くて遮光しやすいお風呂場などがおすすめです。

今回はコワーキングスペース「ひらば」の一角をお借りしました。大好きな場所の1つです。

奥に妙な文字が見えますが、年初の書初めが貼られたトイレやキッチンで行いました。もちろんビールも。

準備するものとしては、引き伸ばし機、印画紙、薬品(現像液・停止液・定着液)など。他にもたくさん。

プリントも現像と同じように、現像液→停止液→定着液→簡易水洗→クイックウォッシュ→本水洗といった流れになります。

では、詳しく見ていきましょう!

まずはフィルム全体にどんな写真があるのかを確認します。

ベタ焼き」というプリントを行います。コンタクトシートといえばわかる若い人もいるかもしれません。

これがベタ焼きです。

もうこれを見ただけも今回プリントを行った感動や喜びが溢れてきますよね・・・。

では、涙をぬぐいながらプリントの仕方を説明します。

いきなり印画紙に光を当てていきたいところですが、何秒光を当てればいいかわからないため、段階露光といって、光を当てるだいたいの秒数を決めます。

あくまで例ですが最初は1秒単位で光を当てておおよその時間を決める。その後は0.2秒ごとに光を当てて最終的な露光時間を決めます。

印画紙も高いので適度な大きさにちぎって段階露光を行います。

例えば上の写真で言うなら、上の方が薄くて下の方は黒が濃くなっているのがわかると思います。

これは上は1秒しか光が当てておらず、そこから1秒ごとに光を当てる時間を増やしている感じです。

例えば「だいたい3秒から4秒くらいがちょうどいいかな」というのを決めて、最初に3秒光を当てる、その後0.2秒ずつ上の写真のようにずらしていくことで微妙な明るさを調整します。

当たり前ですが、露光が終わるごとに1回1回、現像液→停止液→定着液という作業を行います。しっかりと時間を計って。

結構めんどくさいですが、明るさというのは写真における表現の大きな要素を占めているので手抜きはできません。

特に色のないモノクロプリントでは明るさやコントラストは非常に大切な要素です。

話があっちこっちにいきますが、ベタ焼きの本番です。

フィルムを印画紙の上に順番に並べて置いて、そのまま露光します。

そして何回か秒数を調整して出来上がったのが、このベタ焼きです。

このベタ焼きを見ながらどれを焼いていこうか確認するのです。もちろんこのベタ焼き自体も作品の1つになります。

額縁にベタ焼きを入れて家に飾るのもおしゃれなので、ぜひ一度体験してほしいものです。

そしてベタ焼きから選んだ自信の1枚を焼きます。赤い光に包まれて焼くというこの光景を15年ぶりに体感して若干泣きそうになってます。

そして何枚か焼いたところで本日は終了。

ほぼ体験会みたいな形になりましたが、楽しい時間となりました。

印画紙やフィルムが昔と違って値上がりしているので、簡単に何回もできるものではないかもしれませんが、大人の趣味として年に何回かやりたいと思います。

そしてこういう体験を色々な人にも紹介できればと思います。子供向けにも自由研究の一環とか楽しいですよね。

次回はフィルターとか焼きこみ、覆い焼きなどちょっとテクニック的なこともやりたい願望がどんどん出てきています。

フィルムカメラで撮るとこれだけの時間をかけて1枚を作り上げる、その大変さと楽しさを思い出しました。

写ルンですが流行っていますが、フィルムをスキャンしてみるのとはまた違う、本物のプリントができることをこれからの楽しみにしています。

現像編から長々と書いてきましたが、ご覧いただきありがとうございます。

これからもこちらで報告などしていけたらと思います。お楽しみに!